ホフブロイヘフェヴァイツェン

Hofbräu Hefe Weizenホフブロイ ヘーフェヴァイツェン

COLUMN本場ドイツの THE ヴァイツェン

ドイツの由緒あるブルワリーであるホフブロイハウスの王道ヴァイツェンです。ヴァイツェンの特徴である白く濁った見た目とバナナのような香りが特徴です。もともとはブラウンビールを好まなかった王命によって造られたビールで、まさに王室の味わいです。

クラフトビールかというと微妙なところですが、歴史あるビールなのでビール通を語るなら必ず飲んでおきたい一本です。やはり大手のビールは完成度が高いですね。

ちなみにHefeというのは酵母のことで瓶のそこにうっすら溜まっているので残さず注ぎ切るようにしましょう。

ホフブロイハウスのクラフトビール

ホフブロイ ヘーフェヴァイツェンのブルワリー / ビアスタイル / 原産国

ホフブロイのロゴ

Hofbräuhausホフブロイハウス

ホフブロイハウスは、国立ホフブロイハウス醸造会社が直営する、ドイツのバイエルン州ミュンヘン市に伝統あるビアホールです。 ミュンヘンの中心部、マリエン広場から徒歩約5分の所にあり、店舗建物の1階がビアホール、2階がレストラン、3階が有料のショーが催されるフロアとなっています。 1589年にバイエルン公ヴィルヘルム5世によって設立されたミュンヘンで最も古いビアホールの一つで、当時、現在のビアホールが建つ場所からすぐ近くにあった旧王宮の醸造所として設立されました。 ヴィルヘルムの息子であり相続人であったマクシミリアン1世は、濃くて重い茶色のビールであるブラウンビールをあまり好んでいませんでした。 そこで、17世紀初頭、マクシミリアン1世は醸造所を小麦ビールに集中させ、他のすべての民間醸造所が小麦ビールを醸造することを禁止して独占状態にしました(これがヴァイツェンが貴族のビールと言われている所以です)。 第二次世界大戦後、ミュンヘンに駐留していたアメリカ兵が「HB」のロゴ入りジョッキを持ち帰ったこともあり、ホフブロイハウスは瞬く間にミュンヘンで一番の観光名所となりました。 世界の他の地域でも、すぐにホフブロイハウスの需要が高まり、現在では各所に支店やフランチャイズ展開されています。
5種類のクラフトビールが注がれたグラス

Weizenヴァイツェン

ほとんどのビールは大麦の麦芽を原料として製造されますが、ヴァイツェンは小麦麦芽を50%以上使ったビールのことを指します。ヴァイスビールと呼ばれる事もあり、ヴァイス =「白」の通り白っぽい黄金色のビールで、バナナのようなフルーティーな香り(エステル香)と、苦みをほとんど感じない柔らかな味わいが特徴です。実際にフルーツが使われているわけではなく、酵母の発酵によってこのような香りになるのです。 小麦系のビールは16世紀の時点ですでにバイエルン地方で製造されていたようですが、当時は「ビール純粋令」と呼ばれる法律によって「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料とすべし」と定められていたため、独占的な権利を保持していた朝廷のメンバーしか造ることができず貴族のビールとみなされていました。 この貴族のビールが市民のものとなったのは、ゲオルク・シュナイダーという人物が王室と交渉して、このスタイルの醸造権を譲ってもらうことに成功したためです。彼が起こしたSchneder社は今でもミュンヘンで小麦系のビールを製造しています。バイエルン地方では今でも小麦系のビールが人気で、ビールの販売額の4分の1ほどを占めているということです。 スタンダードなヴァイツェンの他に、色合いが少し暗く通常のヴァイツェンより心持ち甘めのドゥンクラー・ヴァイツェン、アルコール度数が高いヴァイツェンボックなどがあります。
ドイツの風景

Germanyドイツ

ビールといえばドイツというイメージが強いですが、ビール自体はドイツ人がビールを発明というわけではありません。 約13,000年前、農業革命が起こる前から、中東の一部では穀物を焙煎したものを水に浸して飲むと、味が良く、栄養価が高く、少しアルコールを含む飲み物ができることを発見していました。イスラエルのハイファで最近行われた考古学的発掘調査では、古代の醸造所の名残が発見されました。やがて、アルコール度数の低い「液体パン」は世界中のほぼすべての文化で主食となる飲み物となりました。 その後、世界のいたるところで、大麦やトウモロコシなどさまざまな穀物を今日の麦芽の代わりにつかってビールを造る試みは行われてきました。しかし、ミュンヘンの北に位置するハレルタウ地方で発見された特別なホップと大麦麦芽を用いて醸造すると非常に高品質なビールができることが発見されると、この製法がいたく気に入ったドイツ人たちはこれこそがビールの正式な製造法だと考え、かの有名なドイツの「ビール純粋令」を制定をします。 ビール純粋令とは、1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が制定したもので「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という内容の一文で知られる法律です。この法律は現在でも有効で、食品に関する最古の法律として有名です。 ビール純粋令の制定から300年後の19世紀後半、フランスとドイツの科学者たちは、酵母が発酵過程で果たす役割を解き明かしました。最終的には酵母は2種類に分類され、ビール醸造用に商業的に生産され、それぞれがビールの風味に影響を与えました。一方の酵母は発酵の終わりに上に浮かんでくる上面発酵酵母(エール)、もう一方の酵母は下に沈んでいく下面発酵酵母(ラガー)です。 19世紀には、ピルスナーの誕生からボックビールや輸出ビールの導入に至るまで、ドイツ語圏の国々でビール革命が起こりました。ドイツからの移民醸造家たちは、アメリカ、中国、日本、メキシコ、アフリカでビール帝国を築き、1980年代まではドイツは世界で最も多くの醸造所を抱えていました。 しかし、1990年代に入ると、ドイツのビール消費量はゆっくりと減少し始め、歴史ある醸造所の合併がすすみ、また、新しい若い醸造所が登場してきました。今日でもドイツではビールの総消費量は少しずつ減少していますが、ビールは今でも文化として根付いており、変わらぬ愛情が注がれています。 最近では日本でもなじみの深いオクトーバーフェストは、ドイツのバイエルン州ミュンヘンで毎年9月下旬から10月の最初の週末まで開催される16~18日間のお祭りです。オクトーバーフェストで飲まれるビールは、ミュンヘン市内で13.5%以上の麦汁濃度で醸造されたビールのみでならないとされています。
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