Weizenヴァイツェン
ほとんどのビールは大麦の麦芽を原料として製造されますが、ヴァイツェンは小麦麦芽を50%以上使ったビールのことを指します。ヴァイスビールと呼ばれる事もあり、ヴァイス =「白」の通り白っぽい黄金色のビールで、バナナのようなフルーティーな香り(エステル香)と、苦みをほとんど感じない柔らかな味わいが特徴です。実際にフルーツが使われているわけではなく、酵母の発酵によってこのような香りになるのです。
小麦系のビールは16世紀の時点ですでにバイエルン地方で製造されていたようですが、当時は「ビール純粋令」と呼ばれる法律によって「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料とすべし」と定められていたため、独占的な権利を保持していた朝廷のメンバーしか造ることができず貴族のビールとみなされていました。
この貴族のビールが市民のものとなったのは、ゲオルク・シュナイダーという人物が王室と交渉して、このスタイルの醸造権を譲ってもらうことに成功したためです。彼が起こしたSchneder社は今でもミュンヘンで小麦系のビールを製造しています。バイエルン地方では今でも小麦系のビールが人気で、ビールの販売額の4分の1ほどを占めているということです。
スタンダードなヴァイツェンの他に、色合いが少し暗く通常のヴァイツェンより心持ち甘めのドゥンクラー・ヴァイツェン、アルコール度数が高いヴァイツェンボックなどがあります。