スタイル一覧

ノンアルコール（Non Alcoholic） / 低アルコールは、その名通りアルコール度数が0%〜1%未満のビールの総称です。 日本では飲酒運転の厳罰化に合わせてノンアルコールビールというジャンルが確立されましたが、クラフトビールシーンでは長らくノンアルコールビールは発売されていませんでした。 しかし、「ソーバーキュリアス（Sober（しらふ）とCurious（ふりをする）を掛け合わせた造語）」というお酒は飲めるがあえて飲まないライフスタイルが徐々に流行しだしたことにより、クラフトビール業界でもノンアルコールビールが発売されるようになりました。 昔は酒は百薬の長などと言われていましたが、アルコールが長期的に健康に害を与えることは研究によって明らかになっており、酩酊時のトラブル回避、テレワーク普及による飲み会の減少などの理由と合わせて、健康志向の30代〜50代がこのライフスタイルを取り入れています。 健康志向が強い海外ではもちろん、日本でもノンアルコール専門のブルワリーが立ち上がるなど今後も盛り上がりを見せていきそうです。

IPA（インディアペールエール）は、ペールモルトを使用して上面発酵で作られるペールエールの一種で、ホップの風味が強いことが特徴です。 1815年ごろにイギリスからインドに輸出するための長い船旅に耐えられるよう、ペールエールよりも麦芽を多く使用してアルコール度数を高めて劣化・腐敗を防げるよう保存力を高めたビールが開発されました。そして、1829年に「IPA（インディアンペールエール）」の呼び名で広告が掲載されて以来、ホップの比重が高いビールとしてイギリス国内で人気が高まっていき、21世紀にはイギリスで最も人気のあるビアスタイルの一つとなりました。イギリスのブルワリー教会SIBAの金メダルを受賞したブリュードッグの「パンクIPA」などが有名です。 伝統的なIPAのスタイルは、オーストラリアやニュージーランドなどの当時の植民地諸国へと輸出され、各国へと普及していきましたが、アメリカではさらに独自の進化を遂げてきました。 ローストしたモルトを使用した「ブラックIPA」、アミログルコシターゼという酵素を加えて頭部を取り除きドライで爽やかな飲み口を実現した「ブリュットIPA」、ホップが強烈でアルコール度数が7.5%を超える「ダブルIPA（インペリアルIPA）」、苦味の少ないホップを使い、ジューシーな柑橘系とフローラルのフレーバーが特徴の「ニューイングランドIPA（ヘイジーIPA・ジューシーIPA）」など様々なIPAのスタイルが存在します。

ラオホはブナの木などでスモークした燻製麦芽を使って醸造される一風変わったスタイルのビールです。燻製麦芽由来のスモーキーな味わいが特徴で、癖はあるのですがその分ハマる人にはハマる玄人好みなスタイルです。 発祥は町全体が世界遺産に登録されているドイツのバンベルグとされています。火事によって偶然燻された麦芽を、捨てるのをもったいないということでそのまま使用したら意外と美味しかった、というのがこのスタイルの始まりとのことです。 燻製x燻製で燻製料理や、BBQや炭火焼き肉などスモーキーな味わいの料理と合わせると良さそうです。

ヘレスはドイツのミュンヘン発祥のラガービールスタイルの1つです。ミュンヘンの伝統的ラガーであるドゥンケルは黒ビールですが、1890年代流行りだしたチェコのピルスナーに対抗するため造られたラガービールがこのヘレスです。 ピルスナーと比較すると、どちらもキレがありライトでクリスプな飲み口ですが、へレスはミュンヘンの伝統に従って、 麦芽のうまみが濃く、甘味もあり、ホップの苦味が弱いのが特徴です。 海外でもっとも有名なヘレススタイルのブランドはレーヴェンブロイ (Löwenbräu) ですが、ビールの祭典オクトーバーフェストで知られるミュンヘンでは、いわゆるミュンヘン6大醸造所が製造するヘレスブランドの中で最も低い評価であると言われているそうです。 ちなみに、ヘレスという言葉は「淡いビール」を意味する「Hellbier（Helles Bier）」の略からてきいます。

Gose(ゴーゼ)はドイツのハルツ地方、ハルツで生まれたとされるビアスタイルです。 大量の塩とコリアンダーなどのスパイスでフレーバーをつくるのが特徴で、サワーエールに近い酸味のある味わいのビールが多いです。 醸造の過程では、大麦麦芽とホップのほかに小麦麦芽も使われ、そこへコリアンダーなどの薬草と大量の塩が投入されます。 上面発酵で造られるエール系のビールですが、乳酸菌による発酵も行われるため、乳酸菌発酵由来の酸味がします。 乳酸菌を含むため、瓶内でも発酵が進み、グラスに注いだ際にもちっとした豊かな泡立ちになるのも特徴です。

アメリカ西部が発祥。通常低温で発酵するラガー酵母を、エール酵母並みの高い温度で発酵させて造るビールです。 ラガービールらしいキレのよさにエールの複雑な薫り・味わいを兼ね備えたスタイルで、フルーティなエステル香とモルトの香ばしさが釣り合った、ドリンカビリティの高い銘柄が多く見られます。 別名のスチームビールは、樽やボトルの栓から勢いよく噴き出す泡を蒸気に準えたもの。このビールが生まれたとされるゴールドラッシュの往時を想起させる、なんとも興をそそる名前です。

イギリス発祥のエールスタイル。色合いはアンバーからディープカッパー（濃い銅色）。発祥はロンドンのブルワリー・フラーズ（Fullers）。ホップの苦味は中〜高いレベルで、モルトの甘みを強く残すことで重めのボディに仕上げたビール。アメリカンホップで造った場合のスタイルは、アメリカンESBとも呼ばれます。

IPL：India Pale Lager（インディアペールラガー）は、ラガー酵母で醸造するラガービールですが、ピルスナーなどに比べて、ホップを大量を使って醸造されます。 味わいはIPA：India Pale Ale（インディアペールエール）のラガー版のようなイメージで、通常のラガースタイルに比べて、ホップの苦味やアロマを強く感じられるのが特徴です。 ホップの種類や投入されるタイミングでレシピの可能性がぐんと広がるため、同じIPLでもブルワリーや銘柄によって様々な味わいを楽しむことができます。 ピルスナーでは物足りないけど、IPAのガツンとした苦味とアロマは苦手な人にもおすすめなビアスタイルです。

Brown Ale（ブラウンエール）はホップの香りが弱めで苦味が少なく、その分ローストされた麦芽の香ばしい風味や甘みが強調された味わいのあるビールです。 クセが少ないため飲みやすく、食事にも合わせやすいです。 同じブラウンエールでもアメリカ由来のアメリカンブラウンエールはホップの香りを強く引く出したものが多く、イギリス由来のイングリッシュブラウンエールとは味や香りが大きく異なります。 Stout（スタウト）やPorter（ポーター）と同様に、香りを楽しむなら少し高めの温度（7〜13度）がおすすめです。

スコッチエール（Scotch Ale）はアルコール度数が高めでモルティなコクを感じることができる厚めのボディが特徴のビアスタイルです。 重厚感のある強いボディのビールを好む、ベルギーに輸出するために造られたと言われています。 スコティッシュエールというスタイルもありますが、スコッチエールとは別のビアスタイルで、そちらはアルコール度数が低めでボディもマイルドになっています。 スコッチエールの味わいは、ホップの風味は弱目でモルトの存在感が強いことが特徴です。 当時のスコットランドにはホップが自生しておらず、入手するためには輸入する必要がありました。 そのため高級な原料であり、贅沢に使用することができなかったため、ホップを抑えてモルトで豊かな味わいをつくりだそうと開発されたそうです。 濃厚なモルトのコクとカラメルのような甘い風味がふわりと漂う、まったりとした飲みごこちのビアスタイルです。

Wheat Ale（ウィートエール）はアメリカ発祥の白ビールです。 色合いはイエローゴールドから明るいアンバー色であることが多く、にごりを伴うものもあります。 ベルジャンホワイトのようなハーブ感はなく、ヴァイツェンのようにモルトの香りやコクをストレートに感じるというよりも、モルトの丸みに包まれたホップのアロマやマイルドな苦味を感じられる味わいが特徴のビアスタイルです。

ボックは、ドイツ発祥の伝統的なハイアルコールビールです。 今日造られているボックは下面発酵（ラガー）ビールですが、元々の上面発酵（エール）が主流で、ドイツ南部アインベックが発祥と言われています。 濃い麦汁から造られる、黒や茶色など比較的濃い目の色、どっしりとした喉越し、ハイアルコール、豊かなモルトの香りとフレーバーなどが特徴のスタイルです。 ちなみに、ボックのラベルには雄ヤギが描かれていることが多いですが、これはドイツ語: Bockが雄ヤギを意味するためで、名前の由来は、発祥の地であるアインベックから採られたという説と、飲んだ人が「若い雄ヤギのように元気になる」からことから採られたという説があるそうです。

ペールエールよりも焙煎度の高い麦芽を使って作られる、琥珀色や褐色をしたエールビールです。カラメルやトーストのような香り、香ばしいモルトのフレーバーとホップの苦味がバランスの良く楽しめるスタイルです。5℃前後の少し高めの温度で楽しむのがおすすめ。ちなみに「アンバー」は褐色という意味です。 発祥はアメリカだと言われています。アイルランドのアイリッシュ・レッド・エールにも似ていますが、さらに多くのホップとモルトを使っているのがアンバーエール。材料をどんどんいれてやれというアメリカらしいスタイルとも言えます。

デュンケル、またはドゥンケルはドイツ語で暗いという意味の褐色のビールです。 18世紀になって液色の薄いピルスナーが開発されるまでは、ほとんどのビールが濃色であったため、単にデュンケルと呼んだ場合には、バイエルン地方のダークビール全般を指すことが多いです。 色合いは、ライト・ブラウンからダーク・ブラウン。ホップの苦味に対してモ ルトのフレーバーが大きく勝っていることが特徴です。ホップの苦味については、クリーンでスッキリかつ穏やかな味わいで、モルトの甘味、ホップの苦味、比較的軽い口当たりの 3 点がバランスよく調和し、 まろやかな味わいを楽しめるスタイルです。

ベルジャンデュベル（Belgian Dubbel）は、カラメル化された砂糖やシロップが使われ瓶内二次発酵で醸造されるビアスタイルです。 基本的にはホップを使わずにモルトの風味を活かすように醸造されるレシピが多く、カラメルによって醸されるトーストのようなアロマを感じるのが特徴。 カラメルによって色付けられた赤みがかったブラウンの液色で、口に含むと濃厚で複雑なモルトの甘みとコクを強く感じ、苦味の少ない味わいのものが多いです。

所謂黒ビールと呼ばれているビールのほとんどが、このポーターかスタウトと呼ばれるスタイルのビールです。ローストしたモルト使用することによって黒色のビールになり、コーヒーやカラメル、チョコレート、醤油など例えられる香りがもたらされます。イギリスで生まれたこのビールは、伝統的に10度前後の少しぬるめの温度で飲むのが最適とされています。ぬるめの温度で飲んだ方が香りが立ち、ふくよかな味わいを楽しむことができるためです。 起源は1700年頃のロンドンと言われており、生産工程が初めて工業化されたビールと考えられています。ロンドンのショアディッチ地区にあったベル醸造所でラルフ・ハーウッドなる人物が発明したとする伝説もあるが、実際には何世代にもわたる歴史の中で少しずつ頭角を現してきたもので、最終的にはこのスタイルを熱烈に愛飲していた運送労働者たち（トランスポーター）の呼び名にちなんで独自のスタイル名が授けられることになったのです。 相性のよい食材としては、ローストか燻製にした食材や、バーベキュー、ソーセージ、そしてビールにしては珍しくチョコレートなどが挙げられる。

ほとんどのビールは大麦の麦芽を原料として製造されますが、ヴァイツェンは小麦麦芽を50%以上使ったビールのことを指します。ヴァイスビールと呼ばれる事もあり、ヴァイス =「白」の通り白っぽい黄金色のビールで、バナナのようなフルーティーな香り（エステル香）と、苦みをほとんど感じない柔らかな味わいが特徴です。実際にフルーツが使われているわけではなく、酵母の発酵によってこのような香りになるのです。 小麦系のビールは16世紀の時点ですでにバイエルン地方で製造されていたようですが、当時は「ビール純粋令」と呼ばれる法律によって「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料とすべし」と定められていたため、独占的な権利を保持していた朝廷のメンバーしか造ることができず貴族のビールとみなされていました。 この貴族のビールが市民のものとなったのは、ゲオルク・シュナイダーという人物が王室と交渉して、このスタイルの醸造権を譲ってもらうことに成功したためです。彼が起こしたSchneder社は今でもミュンヘンで小麦系のビールを製造しています。バイエルン地方では今でも小麦系のビールが人気で、ビールの販売額の4分の1ほどを占めているということです。 スタンダードなヴァイツェンの他に、色合いが少し暗く通常のヴァイツェンより心持ち甘めのドゥンクラー・ヴァイツェン、アルコール度数が高いヴァイツェンボックなどがあります。

ベルジャンホワイトはベルギー発祥のビアスタイルです。「ホワイトエール」「ベルジャンスタイル」とも呼ばれます。 原材料に麦芽化していない小麦を使い、副原料にオレンジピールとコリアンダーシードを使っています。もっちりとした泡立ちで、柑橘系やスパイスの豊かな香りと柔らかな酸味でヨーグルトのような後味が特徴のビールです。 かつて、ヨーロッパでホップが普及する以前は小麦と大麦にグルートと呼ばれるハーブの混合物で風味づけがされていました。そして、中世の後半、グルートにホップが追加され、今日でもベルギーの白ビールの原材料として使用されています。 ベルジャンホワイトは1950年代後半に一度、生産終了しましたが、ピエール・セリスという若い農夫の手によって復活。彼の名を冠した「セリスホワイト」や「ブロンシュ・デ・ナミュール」「ワトウズヴィット」などが有名銘柄です。

アンバー色から褐色のビールで、その見た目通り濃厚なコクと豊かな香りが特徴のビールです。古典的な「アルトビール」は麦芽百パーセントで造られた銅色のエールで、アルコール度は毎日飲んでもいいようにやや低めに抑えられています。 主にドイツのデュッセルドルフで造られるため「ドュッセルドルファー・アルトビール」とも呼ばれます。現在のドュッセルドルファー・アルトビールは、19世紀にドイツの広い範囲で愛飲されていた古いスタイルである「エルンテビール（収穫期のビール）」から派生してきたものと考えられています。 ちなみにアルトはドイツ語で古いという意味ですが、ビールが古いというわけではなく、南ドイツから発信され、ヨーロッパ中に伝わった新しいラガーと比べて製造方法が新しいことに由来しているそうです。

上面発酵のビールをエール、下面発酵のビールをラガーと言いますが、ピルスナーはラガービールのスタイルの1つで、日本で流通している大手のビールのほとんどがこのピルスナーです。 19世紀にチェコのピルゼンで生まれた「ピルスナーウルケル」を発端に、世界中で最も広く普及しているビアスタイルで、淡色でアルコール度数は低め、キレのある爽やかなのどごしと、ホップの苦味が特徴です。 ピルスナーについて語るには、ラガービールのことを知る必要があります。ラガービールは、下面、低温、長期発酵を特徴とした比較的近代的なビールの製造方法です。この製造方法が確立された経緯は詳しくはわかっていないらしいですが、1年の半分以上が寒い時期である地方で、冬季にはビールの醸造が困難だという制約条件を打破するために考え出されたと言われています。 ピルスナーは淡い黄金色（それまではブラウンが主流）とスッキリとした味わいで人気を博し、いっきに市場に広まったと言われています。このスタイルが世界的に普及している理由としては、この万人受けする味わいと大量生産するためにそれなりの設備投資を要するので大手資本が続々と参入したためと考えられています。

セゾンビールとは、ベルギーの南部が発祥とされているエールタイプのビールです。農業の閑散期に仕込み、夏の農作業の合間にのどを潤すために造られていたと言われています。 風味の特徴については、地方や醸造所ごとに昔から大きな違いが見られるため、一概に規定することはできません。しかし、一般的にはボディがライトからミディアムの範囲で、モルト・アロマのレベルも低く、胡椒に似たスパイシーな愛ジワのビールが多いです。夏の農作業の合間に飲むという本来の目的にから、酔っ払って仕事ができなくならないようにあアルコール度数も低めなものが多いです。 セゾンの語源はシーズンからきており、本来は夏限定のビールにです。

Golden Ale（ゴールデンエール）はその名のごとく、透き通った黄金色の液色のエールで、アルコール度数とホップの香りは低め、モルトの甘みをほのかに感じられることが特徴のビアスタイルです。 また、Duvel（デュベル）など、アルコール度数の高いものはStrong Golden Ale（ストロング・ゴールデンエール）に分類されます。 通常のゴールデンエールであればアルコール度数は高くなく、ホップの苦味も控えめであるため、普段ラガービールを飲んでいる人にとっても飲みやすく、エール系ビールの入門にも適しているスタイルです。

主に乳酸菌などのアルコール発酵により酸をつくる菌を利用して造られる酸っぱいビールです。フルーツを同時に用いて発酵・熟成するものや、フルーツフレーバーのシロップを入れて造られるものもあります。 ベルギーの有名なビール「ランビック」このスタイルですが、ランビック自体はスタイルではなく一種のブランドです。使われる酵母は生息地が限られており「ランビック」を名乗れるのはブリュッセル近郊の醸造所で作られたビールのみとなっています。 他のビールと明らかに違う爽やかな味わいのものが多いので、ビールが苦手な人や新しい刺激がほしいビールラバーにもオススメのスタイルです。

日本でも多く飲まれている下面発酵のラガービールですが、もちろんアメリカでも醸造されており、発祥地の名をとってアメリカンラガーと呼ばれています。 上面発酵のエールビールと比べて、モルトの風味やホップの苦み・香りは弱く、クセが少なくあっさりとした味わいのものが多いです。炭酸が強めでキレのある爽やかなのどごしを楽しむことができます。麦芽以外にとうもろこしやお米などの原料を一緒に使っており、軽い口当たりやほんのりと感じる甘みを作り出しています。 軽やかな口当たりとキレのあるのどごしで、夏にキーンと冷やして飲みたいビアスタイルです。

ケルシュはブランドです。ケルシュを名乗ることが出来るのは、「ケルシュ協定」に調印しているケルン近郊の醸造所のビールのみです。ケルシュ協定は、ケルシュの品質と伝統を守ることを目的として締結されました。 ケルシュは、上面発酵の酵母を、下面発酵の低い温度帯で醸造するビールです。外観は、透明感ある淡い黄金色、きめ細かい泡立ち。フルーティで華やかな香り。苦味は非常に弱く、銘柄によっては甘味や弱い酸味を感じます。後味はすっきりしており、喉越しはとても軽く飲みやすいビールです。苦いビールが苦手な方にもオススメです。 ケルン以外で造られたケルシュっぽい製法で造られたビールはケルシュスタイルと呼ぶことが多いです。

ドイツ語で黒を意味するシュバルツは、その名の通り黒ビールです。同じ黒ビールのスタウトやポーターはエールビール（上面発酵ビール）ですが、シュバルツラガービール（下面発酵ビール）です。 コーヒーやチョコレートのようなアロマとほんのりロースト麦芽の香ばしさを感じるのが特徴です。黒ビールというと濃厚な味わいのイメージですが、意外にも、苦みは弱く、ラガーのシャープでクリアな味わいを楽しむことができ、すっきりと飲むことができます。 ドイツの各地、とりわけアウグスブルクやクルムバッハなどの都市で古くから造らてきたとされていますが、ドイツの一部地域では色の濃いビールをいっしょくたにシュバルツと呼ぶ地域もあるようです。

バーレイワインは、その名の通り大麦のワインのようなスタイルです。ワインようなに熟成期間をとるのが特徴、通常のビールの10倍以上の時間を熟成させます。 イギリスでは気候の関係でブドウが生産できず、フランスワインの人気に嫉妬してワイン並みにアルコール度数が高く、年単位での長期熟成が行えるバーレーワインを開発したのが発祥とされています。ワインと同じように熟成期間が長いほど価値が高いとされています。 味などの特徴としては高めのアルコール度数、熟成期間で強調されたモルトの風味、また木製の樽で熟成させたものについては樽の木材の香りをかすかに感じることができます。 一般的なエールビールの熟成期間は約2~3週間程度ですが、バーレーワインの熟成には半年~1年以上かけることもあり、時期によって飲めたり飲めなかったりするので、その分プレミアム感の高いスタイルと言えます。 ワインの名を冠するのでワイングラスで、ワインと合うようなおつまみと一緒に飲むのがオススメです。

まず、エールというのはビールの上面発酵という製造方法で造られたビール群のことを言います。このエールビールのうち、登場当時のビールと比べて淡い（=ペール）色をしているビールをペールエールと呼ぶようになりました。 ペールエールの特徴は「モルトのコクやホップの香りが豊かに感じられるビール」とされていますが、派生スタイルが山ほどあるのでこれと言った型として説明しずらいスタイルになっています。 発祥はイギリスですが、柑橘様のホップの香りが華やかに感じられる「アメリカン・ペールエール」が発明されてたのきっかけに世界中に広がりました。あまりとりあげられないですが、「イングリッシュ・ペールエール」と呼ばれる群も存在していて、品評会でも別のスタイルで扱われています。起源はイングランドの田園地帯で醸造されていたアンバー色のオクトーバービールとされています。 日本のクラフトビールの代表格「よなよなエール」がこのペールエールで、苦味も比較的控えめで飲みやすくいろんな食事にも合わせやすいのでクラフトビールビギナーにオススメのスタイルと言えます。

ポーターがアイルランドに渡り改良されたビアスタイルがスタウトです。 スタウトは「頑強な、丈夫な、どっしりとした」という意味で、真っ黒になるまで大麦を焙煎しているため、液色も真っ黒で、強く濃厚でコクのある味わい。そして、コーヒーを彷彿とさせる香り・苦味とほんのりと感じる酸味を楽しめるビアスタイルです。 当時はスタウト・ポーターと呼ばれており、ポーターよりもアルコール度数を強くしたものが主流でしたが、現代のスタウトはそこまでアルコールの強くないものが多いです。 原材料・醸造方法におけるポーターとの違いは、麦芽化せずにローストした大麦（ローストバーレイ）を使っている点にあります。そして、スタウトスタイルの生みの親は黒ビールの代名詞として有名なギネスの創業者アーサー・ギネスです。 当時、麦芽に税金がかけられていたため、アーサーは節税を目的として麦芽化していない大麦を焙煎してビールを醸造することを試みました。すると、コーヒーのようなシャープな苦味のビールが生まれ人気となり、瞬く間にアイルランドから世界中に広まっていきました。 スタウトの中でも様々な種類に細分化することができ、ギネスのような「ドライスタウト」、焙煎の苦味を抑えた「スイートスタウト」、乳糖を加えてミルクチョコレートのような風味の「ミルクスタウト」、そしてアルコール度数を高くした強いボディの「インペリアルスタウト」などがあります。