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Pilserlピルザール

COLUMNテナトング産ホップが冴えるピルスナー

ドイツのプランク醸造所(Plank)の定番ラインナップ。

ファインアロマホップとして名高いテナトング・ホップをふんだんに使ったジャーマン・ピルスナーです。

アロマはハーブ、スパイス系。モルトの甘味は穏やかだが香ばしさは明確で、炒った穀物のような印象を受けます。苦味は口に含むと鮮烈に走り、ジンと広がってやがて消失。ボディは中程度で、日本輸入のボトルサイズ 500ml からすると飲みごたえ上々です。

ジャーマンポテトや茹で野菜といった素材の味を活かした料理から、ソーセージ等肉類にも合いそうです。

プランク醸造所のクラフトビール

ピルザールのブルワリー / ビアスタイル / 原産国

5種類のクラフトビールが注がれたグラス

Pilsnerピルスナー

上面発酵のビールをエール、下面発酵のビールをラガーと言いますが、ピルスナーはラガービールのスタイルの1つで、日本で流通している大手のビールのほとんどがこのピルスナーです。 19世紀にチェコのピルゼンで生まれた「ピルスナーウルケル」を発端に、世界中で最も広く普及しているビアスタイルで、淡色でアルコール度数は低め、キレのある爽やかなのどごしと、ホップの苦味が特徴です。 ピルスナーについて語るには、ラガービールのことを知る必要があります。ラガービールは、下面、低温、長期発酵を特徴とした比較的近代的なビールの製造方法です。この製造方法が確立された経緯は詳しくはわかっていないらしいですが、1年の半分以上が寒い時期である地方で、冬季にはビールの醸造が困難だという制約条件を打破するために考え出されたと言われています。 ピルスナーは淡い黄金色(それまではブラウンが主流)とスッキリとした味わいで人気を博し、いっきに市場に広まったと言われています。このスタイルが世界的に普及している理由としては、この万人受けする味わいと大量生産するためにそれなりの設備投資を要するので大手資本が続々と参入したためと考えられています。
ドイツの風景

Germanyドイツ

ビールといえばドイツというイメージが強いですが、ビール自体はドイツ人がビールを発明というわけではありません。 約13,000年前、農業革命が起こる前から、中東の一部では穀物を焙煎したものを水に浸して飲むと、味が良く、栄養価が高く、少しアルコールを含む飲み物ができることを発見していました。イスラエルのハイファで最近行われた考古学的発掘調査では、古代の醸造所の名残が発見されました。やがて、アルコール度数の低い「液体パン」は世界中のほぼすべての文化で主食となる飲み物となりました。 その後、世界のいたるところで、大麦やトウモロコシなどさまざまな穀物を今日の麦芽の代わりにつかってビールを造る試みは行われてきました。しかし、ミュンヘンの北に位置するハレルタウ地方で発見された特別なホップと大麦麦芽を用いて醸造すると非常に高品質なビールができることが発見されると、この製法がいたく気に入ったドイツ人たちはこれこそがビールの正式な製造法だと考え、かの有名なドイツの「ビール純粋令」を制定をします。 ビール純粋令とは、1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が制定したもので「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という内容の一文で知られる法律です。この法律は現在でも有効で、食品に関する最古の法律として有名です。 ビール純粋令の制定から300年後の19世紀後半、フランスとドイツの科学者たちは、酵母が発酵過程で果たす役割を解き明かしました。最終的には酵母は2種類に分類され、ビール醸造用に商業的に生産され、それぞれがビールの風味に影響を与えました。一方の酵母は発酵の終わりに上に浮かんでくる上面発酵酵母(エール)、もう一方の酵母は下に沈んでいく下面発酵酵母(ラガー)です。 19世紀には、ピルスナーの誕生からボックビールや輸出ビールの導入に至るまで、ドイツ語圏の国々でビール革命が起こりました。ドイツからの移民醸造家たちは、アメリカ、中国、日本、メキシコ、アフリカでビール帝国を築き、1980年代まではドイツは世界で最も多くの醸造所を抱えていました。 しかし、1990年代に入ると、ドイツのビール消費量はゆっくりと減少し始め、歴史ある醸造所の合併がすすみ、また、新しい若い醸造所が登場してきました。今日でもドイツではビールの総消費量は少しずつ減少していますが、ビールは今でも文化として根付いており、変わらぬ愛情が注がれています。 最近では日本でもなじみの深いオクトーバーフェストは、ドイツのバイエルン州ミュンヘンで毎年9月下旬から10月の最初の週末まで開催される16~18日間のお祭りです。オクトーバーフェストで飲まれるビールは、ミュンヘン市内で13.5%以上の麦汁濃度で醸造されたビールのみでならないとされています。