大森山王ブルワリーは、東京都大田区大森にあるクラフトビールメーカーです。

サク（SAKU）は大森山王ブルワリー（Omori Sanno Brewery）の造るセゾンスタイルのビールです。

大正末期に多くの文士、芸術家が住んでいた山王、馬込一帯を馬込文士村と呼びます。その文士村に住んでいた詩人の萩原朔太郎から名前をとったビールとなっています。

同ブルワリー初のセゾンで、副原料に檸檬ピールが使われています。セゾン + レモンは意外とあまり見かけない組み合わせですが、セゾンのスパイシーさとレモンの苦味が爽やかな1本に仕上がっています。

日本には、明治時代、全国に100を超える小さなビール醸造所が存在していました。当時は清酒以外の酒類には酒税が課せられておらず、ビールには酒税が課せられていませんでした。しかし、明治34年12月軍備増強のための国税収入のため、ビールにも酒税が課せられることになり、資金力の弱い小さなビール醸造所はその負担に耐えきれず姿を消していきました。これによりビール作りは戦後しばらくも資金力のある大手だけのものとなっていました。

萩原朔太郎をイメージしたセゾン

セゾンビールとは、ベルギーの南部が発祥とされているエールタイプのビールです。農業の閑散期に仕込み、夏の農作業の合間にのどを潤すために造られていたと言われています。

大森山王ブルワリーの第6弾ビールのAN（アン）は、ベルジャン酵母を使ったホワイトIPAです。

日本の子どもたちに良質な家庭文学を届けたいと日本で最初の子供図書館を作ったり、沢山の海外作品を翻訳したりした、大森に深いゆかりのある村岡花子さんと彼女の代表翻訳作品「赤毛のアン」をイメージして作りました。

赤毛のアンイメージなのにホワイトIPAなのがちょっとおもしろいですね。

小麦麦芽使用からくるなめらかな口当たり、ベルジャン酵母由来のスパイシーで華やかなアロマとフレーバー、「ネルソンソーヴィン」の白ぶどう感、高すぎないアルコール度数、とても飲みやすい1本です。

赤毛のアンをイメージして造られたベルジャンIPA

IPA（インディアペールエール）は、ペールモルトを使用して上面発酵で作られるペールエールの一種で、ホップの風味が強いことが特徴です。

大森山王ブルワリー（Omori Sanno Brewery）の第5弾ビールは、大森からほど近い馬込にゆかりの深い小説家・デザイナーの「宇野千代」から名前を借りたIndia Pale Lagerです。すべてのボトルで違う模様となっている箔押しのラベルが特徴です。

古くから愛されるホップ、ザーツをビターホップとして、最近注目されてるタラス、とまだ製品名が無い未来のホップ４３１（製品番号）をアロマホップとして使い、ホップの楽しみを存分に味わえます。

過去〜未来へと続く思いをビールで表現しているそうです。少し濁った黄金色、ふんだんにホップを使ったジューシーな味わいと、ラガーらしいキレのある喉越しが楽しめる1本に仕上がっています。

「宇野千代」から名前を拝借したIPL

IPL：India Pale Lager（インディアペールラガー）は、ラガー酵母で醸造するラガービールですが、ピルスナーなどに比べて、ホップを大量を使って醸造されます。

６種のモルトが織りなす重厚で赤みがかったボディに交わる４種のホップ。香り高き香りに、ほんのり甘さと苦味が交差する、時間の変化も楽しめる、味わい深い複雑なハイアルコールビールです。 公式サイトより

一口目は甘みを感じますが、徐々に複雑な苦味が広がります。ホップよりモルトを強く感じるお味です。高いアルコールと重厚なコク、ホップの華やかな香りでブランデーを飲んでいるような豊かな気持ちになれるビールです。

2020年、がんばった「あなた」にこれからの明るい未来について聞きたい、そんな想いで造られた銘柄です。

「あなた」にきくアロマ豊かなハイアルコールビール

まず、エールというのはビールの上面発酵という製造方法で造られたビール群のことを言います。このエールビールのうち、登場当時のビールと比べて淡い（=ペール）色をしているビールをペールエールと呼ぶようになりました。

世界でも珍しいコーヒーチェリーを使用したペールエールです。割と重めのボディで香りが豊かですが、クセがないので料理にも合わせやすく飲みやすいビールです。

ナオミという名前は、ブルワリーがある大森が舞台になった谷崎潤一郎の「痴人の愛」にちなんで名付けられています。作中に登場するナオミが、コーヒー店で働いていることからコーヒーチェリーを使って造られています。

作中のナオミは男性を振り回す奔放な女性として描かれていますが、こちらのビールはどんな場面でも合わせやすい万人受けする1本となっています。

コーヒーチェリーを使用した、豊かな香りのペールエール

愛媛県中島産の伊予柑を使用した、華やかなキレのあるヴァイツェン。伊予柑の酸味があり爽やかな味わいです。苦味もホップのそれというよりも柑橘系のフルーツがイメージされる苦味になっています。とても飲みやすいのでビールが苦手な方にもオススメです。

ジョージという名前は、ブルワリーがある大森が舞台になった谷崎潤一郎の「痴人の愛」にちなんで名付けられています。作中に登場する河合譲治の恋心から酸っぱい味付けになったそうですが、譲治のそれは「恋心」というより「嫉妬心」に近いものがあるので、本当にこの味でよかったのかは疑問です（笑）

なにはともわれ、香りが華やかでさっぱりとした味わいでキレがあるビールに仕上がっています。

ほとんどのビールは大麦の麦芽を原料として製造されますが、ヴァイツェンは小麦麦芽を50%以上使ったビールのことを指します。ヴァイスビールと呼ばれる事もあり、ヴァイス =「白」の通り白っぽい黄金色のビールで、バナナのようなフルーティーな香り（エステル香）と、苦みをほとんど感じない柔らかな味わいが特徴です。実際にフルーツが使われているわけではなく、酵母の発酵によってこのような香りになるのです。

材料にお米と塩が使われているペールエール。苦味や刺激が少なく、一口目にはお米、飲んでいる最中と後味には塩の香りを感じられるちょっと変わった味のビールです。

「KAORU」は、ブルワリーがある大森山王地域に学校用地として自分の別荘地を提供した「井上馨」、大森海岸から流れ込んでくる自然の香りなどにちなんで名付けられました。

ちょっとしたお土産などに持っていくと珍しさから話が盛り上がるかも。

ミルキーで優しく少し甘いペールエール

かつてはハイカラな街であった大森の魅力を再発見してもらいたいという想いから2019年に創業されました。

作られるビールのテーマも「ハイカラ」とされていて、フラッグシップ銘柄の名前は、100年前の大森が舞台になった物語谷崎潤一郎の「痴人の愛」の登場人物にちなんでつけられています。

地域の人同士がつながり、老若男女分け隔てなく楽しい雰囲気であってほしいという理念のもとで運営されている地域密着型ブルワリーです。

Omori Sanno Brewery大森山王ブルワリー

大森山王ブルワリーのクラフトビール一覧

SAKUサク

AN大森山王ブルワリーアン

CHIYO大森山王ブルワリーチヨ

YOUユー

NAOMIナオミ

GEORGEジョージ

KAORUカオル